腱鞘炎(けんしょうえん)は、腱を包む腱鞘という組織が炎症を起こすことで、腱がスムーズに動かなくなり、痛みや腫れが生じる症状です。腱は、筋肉が骨に付着する部分で、指や手首などの動きを支える重要な役割を果たしますが、繰り返しの動作や過度の使用によって負担がかかり、腱鞘炎が発症することがあります。

 主な原因

繰り返し動作: キーボードやマウスの操作、スポーツ、楽器演奏など、手や指を酷使する動作が続くと、腱に負荷がかかりやすくなります。
加齢や性別: 加齢に伴い、腱が硬くなることが腱鞘炎の一因となります。また、特に女性に多く見られることも特徴です。
スポーツや仕事: テニスやゴルフなど、手首や指を多く使うスポーツや仕事が原因となる場合があります。

 症状

痛み: 主に手首や指に痛みを感じ、特に動かすと痛みが強くなります。
腫れ: 腱鞘部分が腫れ、押すと痛むことが多いです。
動きの制限: 腱が腫れて動きが悪くなり、手や指を動かすのが難しくなります。

治療方法

安静: まず、手や指を休めることが重要です。動かさないように固定するためのサポーターやテーピングが効果的です。
薬物療法: 痛みや炎症を軽減するために、消炎鎮痛剤が使用されます。
物理療法: 超音波治療やアイシング、温熱療法などが行われ、痛みを緩和し、回復を促進します。
ハイボルト治療: 高電圧の電気刺激を使って痛みを抑え、炎症を軽減する治療法も効果的です。
手術: 重度の腱鞘炎の場合、外科的な手術が必要になることもあります。

 予防とリハビリ

ストレッチや筋力強化: 手や指の筋肉を強化し、柔軟性を高めるためのエクササイズが有効です。
正しい動作の習得: 繰り返しの動作を避けたり、手や指に負担をかけないような使い方を心がけることが大切です。

腱鞘炎の症状が気になる方は、早期に治療を受けることで、症状の悪化を防ぐことができます。当院では、患者様の状態に合わせた適切な治療プランを提供していますので、ぜひご相談ください。